ヒトじゃなくても君が好き

「ヒトじゃない」のに、こんなに愛おしいなんて
「ヒトじゃない子と恋愛する」——そういうシチュエーションへの需要は昔からあるけれど、ここまで「可愛さ」と「エロさ」を高いレベルで両立させた作品はなかなかないです。さんじろ先生の商業デビュー単行本『ヒトじゃなくても君が好き』は、コアマガジンのメガストアコミックスから2025年6月27日に発売された全230ページの一冊。先生が自ら「とにかく可愛いキャラクターを描くのが好き」と語るその言葉通り、ページをめくるたびに可愛さが目に飛び込んでくる作品です。
「うおちゃん」が、ちょっと忘れられない
本作のメインとなるのが、先生お気に入りのキャラクター・うおちゃんのお話です。魚系の異種族であるうおちゃんと人間のヒーローの関係を描いたこのシリーズ、とにかくうおちゃんのキャラクターが立っていてです。ヒトとは違う見た目なのに、表情や仕草がやたらと可愛くて、気づいたら「うおちゃんのことが心配だな」という感情が生まれてきます。先生自身も特に思い入れのあるキャラクターのようで、その愛着がページから滲み出ているのが伝わってきます。
「異種族もの」の良さが詰まっている
さんじろ先生は成人向けだけでなく、「異種でも愛を誓いますか?」という作品も手がけており、ヒトと異種族の関係性を描くことへの深い理解と愛情を持つ作家さんです。異種族ものの魅力って、「ヒトとは違う価値観や生態を持つ相手との距離の縮め方」にあると思うんですよね。文化も常識も違うふたりが、それでも惹かれ合っていく過程——その「違うのに近い」感じの描写が、この作品ではとても丁寧に描かれています。エロシーンに入るまでの関係性の積み上げ方がしっかりしているから、いざという場面の感情移入度が全然違います。
「可愛い」と「エロい」が矛盾しない
さんじろ先生の絵柄の最大の特徴は、可愛さとエロさが同じ画面の中で喧嘩しないことです。ふわっとした柔らかい線で描かれたキャラクターが、ちゃんとエロシーンでもそのまま魅力的に見える。この「可愛い絵柄でもエロが成立する」という技術は、意外と難しいものなんですよね。表情の描き方がとくに豊かで、恥ずかしがりながらも徐々に素直になっていくヒロインの変化が細かく丁寧に描かれています。ページをめくるたびに「このコのこういう顔が好きだな」という気持ちが積み上がっていきます。
こんな人にぜひ手に取ってほしい
異種族もの・非人間ヒロインが好きな方はもちろん、「可愛い絵柄の作品が好きだけどちゃんとエロも楽しみたい」という方にぴったりの一冊です。コアマガジン・メガストアコミックスから1,245円(税別)で発売中、電子書籍でも配信されています。うおちゃんのことを一度知ってしまったら、きっとその可愛さが頭から離れなくなりますよ。