ねーうしとらうー!

弱者男性が12人のメスガキに拘束される話、これが想像以上でした
「●学生なら舐められない」——そんな情けない動機で家庭教師アプリの仕事を始めた猫田鉄平を待ち受けていたのが、12人のメスガキによる拘束・監禁・逆レイプという地獄のような展開です。てぃーろんたろん先生の初成年向け単行本『ねーうしとらうー!』は、ムーグコミックスから2023年12月25日に発売されました。一般漫画で『学校でいちばん地味な2人が付き合う話』などを手がける人気作家が、成年向けでどんな作品を届けてくれるのか——その答えは、予想をはるかに上回るものでした。
12人、全員キャラが立っているのがおかしい
12人のメスガキ、というだけで「さすがに描き分けが大変では?」と思いますよね。でも『ねーうしとらうー!』はそこをしっかりクリアしてきます。干支にちなんで命名された12人のキャラクターたちが、それぞれにちゃんと個性と存在感を持っていて、ページをめくるたびに「このコがいたな」という感情が積み上がっていくんです。
根津美奈子はとにかくよく喋るちょこちょこうるさいタイプ、牛島ゆうはゆったりもったりな歳の割に大きい子……と、キャラクター紹介だけでもう愛着が芽生えてくる。12人全員に「このコのことをもっと知りたい」と思わせる描き分けができているのは、一般漫画でキャラクター作りを磨いてきたてぃーろんたろん先生ならではの強みが存分に発揮された部分です。
「やられっぱなしではない」、この一言が全てを物語ります
監禁・逆レイプという展開から始まりながら、猫田の「無尽蔵射精巨根」がメスガキたちにやられっぱなしではない——このキャッチコピーのバランス感覚が本当に絶妙です。ただ蹂躙されるだけの話でも、ただ反撃するだけの話でもない。攻防が入り乱れる中でキャラクターたちの関係性が変化していく過程に、ちゃんとドラマがあります。
「パパ活ならぬパパ狩が横行していた」という設定の現代感も面白くて、ぶっ飛んだシチュエーションの中にリアルな空気が混じっているのが、一般漫画出身の作家さんらしいバランスの取り方だと感じます。
一般漫画の「上手さ」が、成年向けに全力で活かされている
てぃーろんたろん先生は一般漫画でも「読みやすさ」と「キャラクターへの感情移入のしやすさ」に定評がある作家さんです。その強みがこの作品でも損なわれておらず、成年向けとしてのエロさはしっかりありながら、読み物としての面白さが同居しています。テンポの良いコマ割りとキャラクターの表情の豊かさは、一般漫画で磨かれてきた画力が遺憾なく発揮されていて、エロシーン以外のページも読んでいて飽きません。
初成年向けでここまでやれるんですか
ムーグコミックスから発売中、各電子書籍ストアでも配信されています。一般漫画のファンが成年向けにも手を伸ばせる間口の広さと、成年向けのファンが純粋に楽しめるエロさと熱量、その両方を高いレベルで実現したデビュー作です。12人のメスガキたちに振り回される体験、ぜひ最初のページから楽しんでみてください。