わるいこでごめんね

「わるいこ」たち、全員好きになってしまいました
タイトルの「わるいこでごめんね」、これが読み終わった後にじんわり効いてくるんです。性格に難があって、ナマイキで、毒があって、それでもどこか憎めない——そんな女の子たちが全9作に渡って登場するかに村えびお先生の3rd単行本が、2025年9月29日に幻冬舎のサイコロコミックスから発売されました。「超絶緻密タッチ」と呼ばれる先生の画力、そしてキャラクターへの深い愛情が全210ページにぎっしり詰まっています。
「ちっぱいも性格もツンツン」、このコンセプトが徹底されていてすごい
この短編集全体を貫くテーマが「わるいこヒロイン」です。素直じゃない、態度がデカい、口が悪い——でもその「わるさ」が魅力になっているのが、かに村先生の技量の見せどころです。
特に印象的なのが「ヤンキーに、フリルとか」の年上ヤンキー・なつ。粗暴な口調で悪態をつきながらも、コスプレエッチで初めての感覚に戸惑う表情の変化が絶妙です。強がっている子が崩れていく瞬間の描き方が本当に上手くて、このギャップのためだけに何度でも読み返したくなります。
「催眠」と「コンカフェ」、バラエティが豊かすぎる
収録作のシチュエーションが多彩なのも本作の魅力です。陸上部エースをオイルマッサージでとろとろに蕩かす「とろけるカラダ」、コンカフェ店員がねちっこい責めにキレながら絶頂してしまう「めるにご支援よろしくお願いします」、催眠アプリでイジメっ娘に復讐する「催眠アプリでイジメっ娘に復讐してみた」&「桐谷めいは何も知らない」、理系天才少女が本能のままになる「篠宮リカの催眠レポート」、大人気アイドルが枕営業を強いられる「愛Doll堕とし」&「天岸まりあのアイドル活動」——と、シチュエーションを変えながら全作品で「わるいこが崩れていく」という共通の快感を提供してくれます。
同人誌からの再録である「ネガティブちっぱいサキュバスが来た」も収録されており、恥ずかしがり屋なサキュバス・ソニアのキャラクターがとにかく可愛い。サキュバスなのに自信がなくて恥ずかしがっているというギャップは、かに村先生が普段描くというファンタジー設定の魅力が存分に活かされた一作です。
「超絶緻密タッチ」という言葉、嘘じゃなかった
かに村えびお先生はCOMICグーチョを主戦場に活躍する作家さんで、その画風は「超絶緻密タッチ」というキャッチコピーが大げさに聞こえないほどの書き込み量が特徴です。線の一本一本に迷いがなく、キャラクターの表情・体つき・服の質感まで丁寧に描き分けられています。
先生自身が後書きで「普段はファンタジーな設定の作品を描くことが多いが、本作では現実感があって少しインモラルなことを意識した」と語っており、その意識が作品全体の空気感に確かに反映されています。ファンタジーとリアルの両方を描ける作家だからこそ生まれる、独特の質感があります。
描き下ろし特典も読み応え十分です
巻末には登場キャラクターたちの「その後」を描いた5ページの描き下ろしマンガと、キャラクター設定集が収録されています。ヒロインたちがどんな設定で生まれたのかを知ることができる設定集は、作品を読んだ後に「もっとこのコのことを知りたい」という気持ちをしっかり満たしてくれます。電子書籍各ストアでも配信中ですので、「わるいこ」たちに振り回されたい方はぜひ手に取ってみてください。