色々出ちゃってますけど!

バニーガール姿で「買ってください」、その言葉の裏に何があったのか
成人向け漫画の中でも「おもらし」というジャンルはかなりニッチな部類に入りますが、そのニッチを全力でエンタメにしてしまったのがフロモチ先生です。G-エッヂ連載・ゲネシスコミックスからの単行本版『色々出ちゃってますけど!』は、全8話で完結する連作ストーリーで、おもらしというフェチジャンルを知らない方でも思わず引き込まれるキャラクターと関係性の面白さが詰まっています。
最初の「取引」、成立したけどなんか変でした
お腹を空かせた後輩・成瀬に飯をおごってあげる、ただそれだけのはずだった増田の日常が、その夜バニーガール姿の成瀬が家に現れたことで一変します。ガチャに溶かした生活費を補填するために「10万円で買ってほしい」というとんでもない提案——しかし増田が下した判断が「テクのなさに失望したので水を大量に飲ませてその場を離れる」という、まさかの展開です。
この第1話の「え、そっちいくの?」という予想外の転がり方が、フロモチ先生の作品の空気感を一発で掴んでいます。エロとコメディのバランスが絶妙で、ちゃんとドキドキしながらも思わずクスっとしてしまう読み口が全話を通じて維持されています。
「バカップルおしがま物語」、読み終わったらこの言葉が愛おしくなります
高速道路でのドライブ中に尿意を我慢できなくなる第2話、夜中に動き出す警備ロボットに驚いておもらしをしてしまう第3話……と、毎回状況がエスカレートしながらも成瀬と増田の距離がじわじわ縮まっていく連作構造が見事です。
そして最終話では、なんと開発室に頼んで特注のVRまで用意した増田が成瀬に「電車内おしがまVR体験」をプレゼントするという、「どこに予算かけてるんだ」という突っ込みを笑いながら受け入れてしまう愛おしい着地点に到達します。「バカップルおしがま物語」というキャッチコピーが、最終話まで読むと完璧な表現だったと気づきます。
ふわふわOL・成瀬のキャラクターが全部を支えている
この作品がただのおもらしエロ漫画で終わっていない最大の理由が、成瀬というキャラクターの魅力です。抜けていてドジで、でも憎めない愛嬌がある。困った状況でも変に開き直れるふわふわ感が、おもらしというシチュエーションの「気まずさ」を不思議と和らげてくれています。増田の「こいつのことをもっといじりたい」という感情が読んでいるこちらにも自然と伝わってきて、気づいたら自分も成瀬のことが心配になっています。
こんな人にオススメです
おもらし・おしがまというジャンルに興味がある方はもちろん、「ちょっと変わったシチュエーションのラブコメが読みたい」という方にも刺さる一冊です。ゲネシスコミックスより単行本版・デジタル修正版ともに各電子書籍ストアで配信中。成瀬というキャラクターの可愛さに振り回される体験、ぜひ第1話から追いかけてみてください。