メイド嫁

成年コミック

クールな彼女、家事はダメダメ。でも…ベッドの上では別人でした

普段はクールで美人なのに、エッチなことになると途端に乱れる——そんな「ギャップ萌え」の権化みたいなキャラクターを全力で描き切ったのが、鬼月あるちゅ先生の処女商業単行本『メイド嫁』です。2009年の発売以来、10周年記念フェアが開催されるほど長く愛され続けているこの作品、その人気の理由がページをめくるとすぐに分かります。

その設定、シンプルなのになぜこんなにクセになるの

お隣に住む緑川さんが、家賃が払えなくなったことをきっかけにメイド服姿で転がり込んでくる——という、表題作のスタートはとってもシンプルです。ところがこの緑川さん、クールで美人なのに家事はさっぱりできないドジメイド。でもエッチなことは…してくれるんです。

この落差が、もう反則です。普段の取りつく島もないクールさと、いざとなったときの可愛らしい乱れ方のコントラストが強烈で、読んでいるとどんどん緑川さんのことが好きになっていきます。表題作だけで全5話+描き下ろし後日談という構成になっていて、短編集でありながらしっかりと関係性の変化を楽しめる構成になっているのも嬉しいポイントです。

収録作品、クーデレ祭りでした

表題作以外にも、バラエティ豊かな短編が揃っています。姫と参謀のちょっとダークな関係を描いた「白蜜姫」、女教師と生徒のドキドキ展開「先生、透けてます!!」、社会人男性とオタク女子の意外な組み合わせが面白い「おた夏」など、どの作品もテイストが異なって飽きさせません。

そして個人的にとりわけ刺さったのが「可変式メイド」。クールビューティがじわじわとデレていくあの過程は、クーデレ好きにとってはたまらない破壊力です。

さらに全作品に書き下ろしの後日談が収録されており、トータル43ページもの描き下ろしが追加されています。読了後に「あのキャラクターたちその後どうなったの?」という欲求をちゃんと満たしてくれる、この至れり尽くせり感がさすがです。

この絵の質感、ちょっと他と違います

鬼月あるちゅ先生は、「もんはんのえろほん」で知られる同人サークル「うどんや」出身の作家さんです。同人時代から高い画力で知られていましたが、この商業デビュー作でもその実力は遺憾なく発揮されています。

高めの等身でむっちりとした体型の描き方がとにかく独特で、柔らかさや質感の表現が圧倒的にうまい。頬から顎にかけてのラインなど、顔の描き方にも個性があって一度見たら忘れられないキャラクターデザインが刻まれています。ギャグテイストの描写と色っぽい描写の使い分けも絶妙で、コミカルな場面で笑わせておいてからのエロシーンの落差がまたクセになります。

こんな人にオススメです

クーデレ・ツンデレキャラが好きな方、柔らかめの体型描写が好きな方には迷わずおすすめできる1冊です。コアマガジンのホットミルクコミックスから発売されており、電子書籍でも読めます。クスっと笑えてドキドキできる、そんなバランスの良さがこの作品の最大の魅力。初めて鬼月あるちゅ先生の作品に触れる方にも、入口として最高の一冊ですよ。