ほしいまま

「稀代の痴略家」、ワニマガジン社に殴り込んできました
COMIC快楽天を中心に活躍してきたMURO先生の、ワニマガジン社初の単行本が『ほしいまま』です。2026年1月30日発売、全160ページ。「稀代の痴略家」という呼び名がキャッチコピーとして使われるほど、読む者をじわじわと追い詰めていく独特の"痴略"が、この一冊にぎっしり詰まっています。
「ドロドロのイカせ愛」って、どういうこと
この作品を一言で表すなら「熱く狂おしいドロドロのイカせ愛で、カラダも人生もむちゃむちゃに」という言葉がぴったりです。MURO先生の作風は、さらっとライトな関係性を描くのではなく、キャラクターの感情や欲望がぐちゃぐちゃに絡み合っていくような、濃密な温度感が特徴的です。
表紙には利水先輩と詩奈ちゃんというふたりのキャラクターが描かれており、彼女たちを含む複数のカップリングの物語が収録されています。「全カップリングのオナニー痴情を収録」という電子版のキャッチからも分かる通り、各カップリングそれぞれの「ひとりの時間」にまでしっかりスポットを当てているのが、他の短編集とは一線を画す部分です。自分だけの欲望と、相手への感情が混ざり合う瞬間の描写が、MURO先生の真骨頂と言えます。
キャラクターの「初期設定」まで語りたくなる作者
MURO先生のこだわりは、本編だけにとどまりません。表紙キャラクターのオルタナティブ設定ラフや初期設定資料など、未公開のレア資料が電子版限定おまけとして収録されています。キャラクターが現在の形になるまでの「没になった初期案」まで含まれているというのは、MURO先生がいかにキャラクターの設定と世界観に真剣に向き合っているかの証明です。作者がキャラクターを「生きている存在」として扱っているのが伝わってくる、そういう作り手の姿勢がファン心をくすぐります。
MURO先生の絵、一度見たら分かる個性
MURO先生の絵柄は、ひと目で「あ、MURO先生だ」と分かる強烈な個性があります。快楽天系の雑誌で磨かれてきた描線は、柔らかさとシャープさが絶妙に同居しており、キャラクターの表情ひとつひとつに感情の機微がしっかり宿っています。エロシーンの熱量はもちろん、それに至るまでの「眼差し」や「空気感」の描き方に先生のセンスが光っていて、ページをめくる手が止まらなくなります。
電子版か紙版か、どちらで読んでもお得
紙版はワニマガジン社から1,430円(税込)で発売中。電子版にはデジタル限定おまけとして単行本描き下ろしと未公開資料が追加されており、どちらを選んでも満足度の高い内容になっています。MURO先生をまだ知らない方にとっては最高の入口、すでにファンの方にとっては待ちに待った一冊。「ほしいまま」というタイトルの意味が、読み終わった後にじんわりと腑に落ちてきますよ。